柿時代その2

翌日再び不動産屋に向かう。
案内された部屋は家賃6万円。ワンルームの小さな部屋だったけれど壁がコンクリートでちょっと格好良かった。
生活に何が必要なのかということもあまり深く考えないまま、これ以上探すのも面倒くさいのでここに決めた。
最寄り駅は用賀。
今思えば、もっと郊外で広くて安いところにすればよかったのだが、その時は遠い=交通費がかかるという頭だった。

いったん実家に戻り荷造りをして友達から永いこと借りていた漫画を返したりした。
小さな冷蔵庫やテレビなどの家電を買ってもらい送付先を新住所にすると、いよいよ新しい生活が始まるのだと思い心が躍った。
実家には一秒たりとも居たくはなかったので感傷的なことは一切なかった。

出発当日、祖母から電話がきた。
かいつまんで書くと、、、寂しくて仕方ない、行かないでほしい、早く帰ってきてほしいというようなことを涙ながらに話された。
祖母のことは好きだったので申し訳ない気持ちになったけれど今更希望を聞くわけにはいかない。
その時に全部捨てた。
それまでの19年間など大した時間ではなかったので、自分の人生はこれから始まるのだと思った。

(続く)
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by tonpu-2 | 2015-04-10 20:00 | 日常 | Comments(0)

猫、カレー、ラーメン、たまに旅。


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