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あれから30年

20代の頃、道端でみてもらった占い師に「大器晩成。50歳過ぎから運気が良くなる」と言われた。
その時は、あと30年近く耐えるのか、、、と絶望的な気持ちになった。

月日が経ち、53歳になりましたよ。

きちんとした仕事に就いて、収入は増えて、妻が居て、おまけに猫も居ます。
ローンを組んでマンションも買いました。
体を壊したけれど大事に至ることもなく今のところ健やか。
良かったじゃん。

しかし生活が楽になったかどうか、、、税金や保険を滞納せずきちんと払ってるし、当たり前の生活を自力でおくれるようになったよ。偉い。
けれど、薄氷を歩むような感覚は消えやしない。

死ぬまで住宅ローンは残るだろう。
定年後は年金だけで生活できないことはわかっている。
将来に備えるための貯蓄も十分ではない。
65歳になった瞬間に、このままだと路頭に迷う。

かといって何かできるわけでもない。皆さんどうしてるんだろう。
退職金で田舎に移住して独学で蕎麦か有機野菜の古民家レストランを開業して地域の人と仲良く集まって自家製釜で焼いたピザをふるまってギター弾いて柴犬をなでる上がり人生が庶民の夢かと思うと虚しい。


# by tonpu-2 | 2023-07-24 20:00 | 日常
解散ではなく散解。
はじめてテレビで目にした三人組のミュージシャンたちを意識したのは、たしか小学生6年生の頃だったか。子供心に「これはいったいなんだろう?」と思った。

そんなYMOのメンバーのうち、特に異色と感じたのは坂本龍一。いけないルージュマジックで忌野清志郎とキスしたり、濃いメイクをしたビジュアルもセンセーショナルだった。
そうこうしていると戦メリがテレビでも放映されたけれどなんのことやらさっぱりという感じ。それでもデヴィッド・ボウイとのキスシーンとか強烈だったことは覚えている。

世の中は未曾有の海外音楽ブーム。
デュランデュラン、カルチャークラブ、シンディ・ローパー、マドンナ。
そして和製バンドブーム。
有頂天、ラフィンノーズ、ウィラード。

そんな中で活動を展開する坂本龍一はアルバムごとにコンセプトを変えてよりアーティスティックになっていった。
音楽図鑑、ネオジオなんかは今聴いても好きな曲ばかりで、この時期の坂本がいちばん好きだ。
子猫物語のサントラも持っていたよ。戦メリのサントラをピアノでリメイクしたCODAはよく聴いた。

さて、僕は高校生の頃、スーパーでアルバイトをしていた。
大学生の先輩バイトから「どんな音楽聴くの?」と聞かれたので「坂本龍一」と答えたら「そんなの知らねぇ、俺はサザン」と嘲笑されたのでスーパーは辞めた。
くだらない町に馬鹿がいて自分には無意味だと感じた。今思えば、さっさとNYにでも行けば人生変わったかもしれないと、中途半端な自意識を呪うしかない。

大学を卒業してからだったか、坂本氏をパルコブックセンターの洋書ロゴスで見かけたな。
その後、なんの因果か、仕事で一度だけ接する機会があった。
お父様は新潮社の名編集者で三島を担当されていたそうな。自決のときは新宿にいて坊主頭だったから警察から右翼と間違えらて云々。そんな話を近くで聞いていた。
恐れ多くて気安く口など聞けるはずもなく固まっていた。サインの一つでも貰えばよかった。

憧れすぎて嫌いだった坂本龍一。かっこよかった。R.I.P.


# by tonpu-2 | 2023-04-03 20:00 | 日常

物欲

気がついたら年が明けていた。
本年もよろしくお願いいたします。

会社の会食で近くの人と休み中はどうだったか、みたいな他愛のない話をしたところ「冬期休暇は時間が過ぎるのが早い」という見解が多かった。
大掃除や親や親戚への挨拶などやることが多いせいだろう、という着地。

我が家も、朝から晩までやることがなくてダラダラ過ごせる日は一日二日程度しかなくて、買い出し、初売りセール、初詣など忙しい。
忙しくなるのが嫌で三が日に食べるためのカレーを早く作りすぎてしまった。(結果的に熟成されて美味)

年を重ねると、それなりに良いものが欲しくなって困る。
毎年やってくるダウンをどうするか問題に始まり、昨年はロレックスマラソンをしたり、ジーンズに革靴。
Aldenの靴を見に行ったら値段が高くて、そんなの履けるわけないと諦めた。メルカリで探すことに。
ジーンズはヴィンテージだと恐ろしい値段がつく物もあって、沼にはまらないようにしないと。

なんにせよ先立つものがないと買い物も自由にできないので適度に節制して老後に備えながら、すこしは日常を楽しみたい。
昔、お金がなくて買えなかったものを手に入れられるのは嬉しい。

20代、30代の頃は精神的に満たされることを渇望していて、アートだのデザインだの哲学だの思想だの、そういう抽象的な訳のわからない答えのないものに向かっていた。
それが40代後半頃かな、現実に手応えのあるもの、自身の体や実際の物に興味が移っている。
筋トレすれば筋肉が付くし、ローンを組めば家も買える。
スピリチュアルなものではなくて、現実のもの。

おそらくそれは体を壊したことや、愛猫おかゆと妻との生活が変えたのだと感じる。
猫のトイレを片付けている時にバタイユだのフーコーだの言っても始まらない。それも極端か。


# by tonpu-2 | 2023-01-11 14:57 | 日常

母 その11

久しぶりに実家に電話して父と話した。
病院に行ったかどうかを尋ねると、きちんと行ったとのこと。次の予約もしたようで安心した。
薬は相変わらず飲めないのだけど、飲み薬のかわりに貼る薬をもらって、それはきちんと貼っている、とも。
「ん?貼る薬?湿布??」と、聞いたけどなんだかよくわからず。
精神的に効く貼薬、とザックリした回答。
あとで調べたところ、母のように薬を飲めなかったり、飲んだかどうかわからなくなったり、複数回飲んでしまう患者さんのために、外からでもわかるように開発されたものがあることがわかった。

精神科の先生のことは案外気に入っているらしく、それはよかった。
そして最近のトピックスとしては頭髪が抜けることが気になり皮膚科にも通っているとのこと。

一通り話し終わって母と代わってもらおうと思ったけれど、いつもだと電話の向こうで出たくないと騒ぐ声が聞こえてきてお互いストレスなので、そのまま切った。
ところが、久しぶりの電話だからか母が自発的に折返しの電話をかけてきた。
貼る薬が効いているのか声もこれまでよりは元気で、うまく受け答えが出来なかったり黙り込んだりすることもなく、わりとペラペラ喋っていた。
いつものように「毛が抜けてくるーうわーーん」と泣かずに、「毛が抜けるのはストレスかね?テレビで見た育毛剤がほしいけどどこにあるのかわからん」と、前向きに考えているのでAmazonでポチって送ることにした。

とはいえすぐに毛がフサフサになるわけでもなかろうということで、気兼ねなく外出できるよう帽子も買うことにした。年配の女性用ということで探してみたところ、いかにもお祖母さんがかぶっているようなものもあったけれど、妻に相談してチョイスしてくれたものは暖かくて洗濯もしやすいニット帽だった。
機能重視。普段遣いならこういうのでいいのかも。


# by tonpu-2 | 2022-11-16 20:00 |

梨泰院事件の影響

夜中に妻が寝室に飛び込んできた。
愛猫おかゆの具合が悪いのか!?と驚いたが、、、「犯罪都市 THE ROUNDUP」公開記念として、マ・ドンソクことマブリー兄貴の初来日が決まった!!!と、満面の笑みをうかべた妻が報告してきた。

ついにこの時が来た。

妻はマブリー兄貴の大ファン。
その影響で僕も数本の作品を観たが、男気あふれる役柄と、周りからイジられて困り顔の兄貴はどこか愛らしく、ファンが多いのも納得。
特にゾンビ映画の「新感染」とヤクザ役がハマりすぎた「悪人伝」は面白かったな。

さて、舞台挨拶は(自分的にはどうでもいいが人気のある)芸能人も一緒ということで転売ヤーと芸能人ファンとマブリー一派との三つ巴となる熱い戦いが予措される。
ナイキ、シュプリーム、ノースフェイスなど数々のネット抽選をくぐり抜けてきたエキスパートの私は「この時のために生まれてきた」ということで、水風呂に入り禊を済ませて、これまでの経験すべてを注ぎ込み勝利すべく準備を整えた。
全ては妻のため、そしてマブリー兄貴に個人的にも会いたいためである。(なんなら猪木の闘魂注入よろしく舞台上でぶん殴ってもらいたいな)

抽選において最もやってはいけないことは開始時間を忘れることだ。スタートラインにすら乗れない。これは携帯のアラームと妻にもメッセージを送るようお願いしたので万全だ。
そして一時間前から準備スタート。なぜなら直前だと回線が混雑してログインすらままならなくなる可能性があるからだ。
個人情報も確認する。住所、電話番号など抽選とは関係ないのだが、どこに落とし穴があるのかわからない。ローソンチケットは何年も使っていないため、カード情報が古いままだということが判明し、冷や汗をかいた。電話番号も紐付けが必要だった。

抽選にはPCと携帯の2つを使う。
時に携帯は繋がらないけれどPCはすんなり繋がるという謎のアクセス制限をクリアするためだ。
そしてPCのウインドウには時報を出しておく。当たり前だが1秒の遅れが命取りになる。
10秒前からカウントし、ジャストのタイミングでクリック、、、してはいけない。
うっかりクリックするとページが更新されてしまい混雑によりアクセス不可、サーバーダウンに巻き込まれかねない。
しかしページを更新しないと購入ボタンが出ない場合もある。そのためのPC、携帯2つ使いということもある。
PCは更新をかけて、携帯はそのままにしておけば、どちらかは生きるだろう。保険のようなものである。

さて、そろそろ時間が来た。
シュミレーションしたように一つ一つの動作を正しく素早くおこなっていく。

時報確認。
抽選開始。
PCを更新。
購入ボタンが現れた。
ボタンを押す。
BOT対策の画像を動かせをおこなう。
日時など確認して(同じ日に各所で舞台挨拶があるがマブリー兄貴が来るのは六本木の9:30と13:00の二回のみ)絶対に間違えてはいけない)クレジットで決済する。
チラリと横の携帯を見ると申込み可能。だが、二重で当選するとやっかいなのでPCが詰まっているようなら携帯で申し込もうと瞬時に判断。
5秒ほど待つ。
どうする?携帯でも申し込むか??
数秒待つ。
無事購入のお知らせ。
コングラッチュレーション!
すぐに妻に連絡して喜びを分かち合う。

案外簡単だったなと思いながらtwitterを見ると、買えなかった人もいる。なかなかの引き強だったのではないかと自画自賛。
普段は自慢を鬱陶しがる妻もこの時ばかりは褒めてくれたよ。

・・・ところがである。
件の事件により来日中止となってしまった。
とても楽しみにしていた妻は塞ぎ込み、「楽しみがない」と小さく呟き遠くを見つめている。
ちなみに妻はマ・ドンソクに会ったときのためにハングルを勉強している。偉い。

舞台挨拶は無くなってしまったけれど、映画は観てきましたよ。
自分が観たなかではマブリー兄貴のパンチ回数が最も多いのではないか? とにかく殴って解決。警察なのに。
ナイフを避けてその手をつかんで一本背負い。腕をキメてへし折る。起き上がればレバーに数発パンチを入れて車に叩きつける。それでも悪態をつこうものなら容赦なくパンチ。失神w
前作のメンバーも引き続き出演していて、なんだか可笑しかった。

次回作は日本の俳優も出演が決まっているので、是非とも幻となった来日を決行していただきたい。



# by tonpu-2 | 2022-11-08 20:00 | 日常