<   2014年 11月 ( 3 )   > この月の画像一覧

さらば街道3

そうこうしているうちに街道が一旦閉じてしまった。。
新たに女子二人による運営となり、お客さんとして街道に通う日が続いた。
その頃、旅の写真を撮っても発表する機会がなくなり、どうしようかと考えていた。

旅の写真はいかにも作品という感じで撮っていて、それとは別に普段撮っている写真がある。
これは誰でも撮るもので、例えば記念写真や食べた物をブログやTwitterに載せるようなもので、PCにはかなりの写真が溜まっていた。
整理しながら眺めていると、これがけっこう面白いなと思った。
かっこよくしようとか、何かを狙って撮っているわけではないから自然だし、しかし時にヘンなものが写っていたりする。

ある日、街道を再開する。やりませんか?とメールが届いた。
二つ返事で快諾した。
まさか街道のメンバーになるとは思っていなかったから嬉しかった。

そして妻を撮った写真を発表することになる。

旅は一人の時間を撮っているもので、妻の写真には二人の時間が写っていると思う。
そしてそのうち猫が我が家にやって来て、二人と一匹の写真が増えていく。

家族の写真を撮るのはこれが初めてというわけではなく、ボケかかった頃の祖父を撮ったものがある。
ファインダーを覗いた時に、こちらをじっと見つめる祖父と目があったとき、何とも言えない感覚があった。
こんな風に自分を見る祖父を知らなかった。

家族の写真なんて、写真家から見たら日和った写真だと思う人もいるかもしれない。
僕にとっては何もない街を一人彷徨ってまたここに戻ってくることより、いまこの時間のほうがずっと大事だと思っている。
[PR]
by tonpu-2 | 2014-11-22 01:07 | 写真 | Comments(0)

さらば街道その2

続き

正しく言うとこの時全く仕事をしていなかったわけではなく、日雇いのような感じで友人のデザインの仕事を手伝い生計をたてていた。
しかし友人との関係が悪化し、日に日に仕事は減り、僕も頭を下げる気など毛頭なかったので悪循環である。
口座にはわずか二千円しかなく、しかもその先二ヶ月間収入のアテがまったく無い状態だった。

、、、脱力しながら渋谷郵便局の前を三往復ぐらいし、履歴書を投函した。
この応募がおそらく最後のチャンスで、もしも駄目だったら一切合切考え直さなきゃならないと思っていた。

ところが、あれよあれよという間に就職が決まってしまった。
嬉しい反面、出るのは溜め息ばかり。
仕事をするのは写真のためだと言い聞かせた。

金はできても時間が無いという状態になるのは目に見えていたので、自由でなくなる前に新潟へ撮影に出た。
その日は直前まで街道メンバーと新宿の吉野で飲んでいた。
時間ぎりぎりにムーンライト越後に乗った。
新潟までの切符だったけれど途中の燕三条駅で下車した。到着は朝4時頃だったかな。
外はまだ闇。駅には当たり前だけど誰もいない。じっとしていると寒くて死にそうだったので缶コーヒーで暖をとりながら歩きはじめた。
しばらく歩くと信濃川に出た。夜も明けてきた。
翌日は寺泊周辺を歩いた。昼に食べたカツ丼が不味かった。東京では散ってしまった桜が満開だった。

二泊三日の短い旅だったけれど思い出深い。
この時の写真は大阪街道塾のY君からの誘いもあり、ビーツギャラリーで発表した。

仕事をはじめてからもできるだけ時間を作って撮影に出かけるようにした。
写真とお金を貯めようと思った。
そして写真集を作る資金ができたら仕事なんぞ辞めようと思っていた。

続く
[PR]
by tonpu-2 | 2014-11-19 14:06 | 写真 | Comments(0)

さらば街道

昨日、ギャラリー街道が閉廊した。
ギャラリーとして借りていた木造アパートの取り壊しのためだ。
メンバーになって本格的に活動に参加してから今日まであっという間だったけれど思い返すといろいろあった。

2007年の立ち上げの時はまだ街道塾という尾仲さん率いるワークショップの生徒?だったので街道で展示する写真家の皆さんをなんとなく羨望の眼差しで見ていた記憶がある。
その後、入口のコーナーでピンナップの展示を若手でやることになり、なんとなく街道塾から希望を取って順にやらせてもらえることになった。
正直言ってこの時の僕の評判は悪かったに違いない(今もか)。
若手じゃないし。
写真学校とか行ってないし。
そして、たぶんアートとかデザインやってるいけすかない人種に見えたのだろう(今もか)。
他の人のようにウェルカムな雰囲気ではなく、渋々というか、、、街道で展示なんかやるなよというそんな空気を感じていた。

それはさておき、日本海を見たことがなかったので北側に行きたかった。
雪が降る荒れた日本海なんてロマンティックだろうなーとぼんやり想像していた。
しかしその年の冬は温かくて行った先に雪はなく天気が良かったのだった。

でも、今ふりかえると自分として一番好きな展示はこの時のピンナップだったりする。
バライタのモノクロで旅の写真なんて最高だと思う。
お客さんの反応は二の次で、自分でその写真を見ることが好きだった。
懐かしくて遠いのだけど近くにあるような親密な感覚。記憶を行ったり来たりして彷徨うような。

そしてこの写真をやり続ける事の大変さも知った。
なにが大変かって旅費が無い。フィルム代が無い。印画紙代が無い。
貧乏だと時間はあっても金が無いのである。そして残念なことに定収入も無かった。

フィルムを何本買うか、印画紙を何枚買うかとかそんなことに頭を使いたくなかったので定収入を得ようと仕方なく仕事をした(後に大変なことになる)。

続く。
[PR]
by tonpu-2 | 2014-11-17 14:09 | 写真 | Comments(0)

猫、カレー、ラーメン、たまに旅。


by tonpu-2