八竹亭のオヤジ

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渋谷に八竹亭という定食屋があった。
なんというか、、、とにかくオヤジが恐くて緊張感のある店だった。
接客ゼロ。知らない人が何かを聞いてもうんともすんとも言わない。席に座るタイミング、注文するタイミング、いちいち気を使う店だった。
しかし味は抜群。味噌汁は熱々で具は榎茸。付け合わせのレタスサラダも旨い。よく食べたのはランチのハンバーグ、夜の鮭バターは絶品だった。
そんな八竹亭だが、知らない間に閉店していた。きっとオヤジは引退して伊豆あたりで悠々自適な生活でもしてるんだろうと勝手に思っていた。

ところがどっこい最近twitterで、別の店でトンカツ揚げてると知った。
なぜ別の店?なぜトンカツ??本当にあのオヤジなのか???謎は深まるばかり。よくわからないけど行かなきゃって思った。

で、渋谷のマメヒココーヒーに向かった。
ドアを開けたらコーヒー屋でトンカツの気配は皆無。店員が「お食事ですか?」と聞くのでハイと答えたら奥に通された。
そこには白木のカウンターがある別の空間が、、、オヤジ居たーー!

壁にメニュー。確かにトンカツしかない。ロースカツ定食を注文。
接客なんてしなかったオヤジが「いらっしゃい」と言う。黙々と作業する姿は変わらないけど、ちょっと老けたオヤジ。「いらっしゃい」とか言わなくていいのに、と切なくなった。
食べ終わり、出て行くときに「目の前で肉捌いててすいません」と言うもんだから、もう泣きそう。
昔、八竹亭に行ったこと、オヤジの噂を聞いたから来たことを伝えたら、オヤジの顔がパァーっと晴れやかになって「嬉しいこと言うねぇ」とあの調子で返事が来た。やっぱりオヤジだ。嬉しい。
必ず、また来ますと告げて店を出た。
そして、他所でトンカツは食べないと決めたのだった。
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by tonpu-2 | 2011-05-01 21:56

猫、カレー、ラーメン、たまに旅。


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